|
今回は女子プロスノーボーダーの金田由貴子さんに、雪山というフィールドで研ぎ澄まされた感覚を持つ、白銀を舞う「鳥」として、取材をさせて頂きました。
── お名前、年齢、血液型を教えてください。
金田由貴子、35歳、A型です。
── 出身は?
生まれも育ちも大阪の堺市です。
── 職業の種類と勤続年数を教えてください。
プロスノーボーダーです。12年になります。
── なぜその道を選んだのですか?そのきっかけも教えてください。
大好きだったから自然となりました。一番仲良しの友達と、死ぬときには「あー面白かった」って言って死にたいねという話をしていて、その為にはやりたいと思ったことはやったほうが良いと思い、今に至っている感じです(笑)
── プライベートの出来事は仕事に影響しますか?
もちろんしますね。滑りにハマってしまえば切り替える事も出来ますが、自分の中に波があって、強いときと弱いときがあるので、なかなか切り替える事が出来ないこともあります。
── 尊敬する人物は?
自分と違う面を持っている人は皆尊敬してしまいますよね。
── もし今の職業についていなかったら、あなたは今何をやっていると思いますか?
うーん、あまり考えたことないですけど、やりたいと思うことはありますね。マッサージの仕事とか。そのうちやるだろうなと思ってます。
── 今後、どのような方向に進んで行きますか?
この先もスノーボードの経験を軸にやれることはあると思うので、それが一つ。その他にも興味のあることはたくさんあるので、自然と色々やっていくように進んで行くと思います。
── LTS( LOVE THE SNOW )の活動について教えてください。
今、雪山が破壊されてどんどん無くなっていく現実があります。LTSは、私達のように雪山をフィールドにしている人達から、自分の居る場所を大切にして、自分達の楽しみや雪山を守る為にはどうしたら良いか?ひとりひとりが考えて、自分のできるエコライフを実践しよう、という呼びかけをしています。
具体的には、マウンテンクリーンや、植樹をしたり、オーガニックガーデンを造園してそこで採取したお花を押し花にして、子供たちのエコクラフトの材料にしたり。Tシャツやタンブラーやエコバッグなどオリジナルのエコグッズを販売して、その収益金をみんなが参加できるエコ活動に使用しています。また、スノーリゾートへもエコを提案していきます。
── 金田さんはLTSの代表だそうですが、なぜこの活動を始められたのですか?
きっかけは、毎年行く雪山の氷河が割れていて滑れなくなっていたり、いつも氷河の上に積もっているはずの雪が無かったりする状況を目の当たりにしたことですね。それを見て、私達がこれ(雪山を破壊から守る事)に取り組まなきゃ、これをしたい、今すぐ動かなきゃ、と思いました。雪山にはいつもすごい楽しい事や、すごい気持ち良い思いをさせてもらっているので、恩返ししなければいけませんからね。
(LTSの活動の詳細はこちらをご覧ください。)
── デフリンピックについて教えてください。
デフリンピックとは、聴覚障害者の為の世界大会で、夏と冬の大会がそれぞれ4年に1度づつ開催されています。私は日本代表のハーフパイプチームの監督として、2007年ソルトレイクで行われた冬の大会に行ってきました。男性が一人銅メダルを獲りました。
── それはおめでとうございます。では、監督としてデフリンピックに参加したきっかけは?
スノーボードのキャンプにデフの方々が参加されていたのが最初の出逢いです。当時の私は手話も出来なくて、うまくコミュニケーションがとれませんでした。そこで、私も手話を勉強したら、もっと色々伝える事が出来るのではないかと思い、本で勉強したり、毎年サイレントキャンプに参加してキャンパーや通訳の方に教えて頂くようになりました。
2003年のデフリンピックの後、ハーフパイプが公式種目に加わり、全日本ろうあ連盟の依頼で選手選考と強化指導を引き受けることになりました。初めてキャンプに参加したのが8年前なので、もうだいぶ長いお付き合いですね。手話にも日本の手話があり、アメリカの手話があり、国際手話があって、違いはあります。でも、その分皆の「伝えよう」「理解しよう」という思いがデフリンピックの会場全体にあって、皆仲間だという一体感に包まれて、とても良い大会でした。私もこのような経験が出来たことを大変嬉しく思います。他国のヘッドコーチたちとも協力しあい、今後もデフスポーツのバックアップをしようと意気投合しました。
── スノーボードをしていて、他にも貴重な経験はありますか?
もちろんありますよ。ありすぎるくらい。すごいケガしたりもするし、熊とか鹿に遭うこともありますよ(笑)
── 無気力になることはありますか? また、それはどんなときですか?
ええ、やはり心身ともに疲れた時ですかね。
── そういう時はどうやって回復しますか?
私は水に助けられているように感じます。温泉だったり、川だったり、色々な事を洗い流してくれるような感じがします。
── では、あなたが怖いものはなんですか?
私は結婚していないので、家族が居なくなってしまったら、と考えたら怖くなりますね。孤独が怖いです。
── 自分の長所・短所はどういったところですか?
長所でもあり短所でもあるのですが、非常にマイペースです(笑)
── 理想の異性のタイプは?
理想のタイプ…、うーん、輝きのある人。その人のやっている事、見せてくれる事でかっこよく見えたら惹かれてしまいますね。
── 一目惚れはしやすいですか?
するかもしれない。普段そんなにしないですけどね(笑)
── ご結婚はされていますか?
してないです。願望はもちろんありますが。もし結婚して子供が出来たら、自分の中での優先順位も変わるでしょうね。もちろんスノーボードはずっと続けて行きますけど。
── 「飛ばない鳥と飛べない鳥」というテーマについて意見を聞かせてください。
イメージしてみたら、どちらも止まっている鳥ですよね。飛ばないと思っているか、飛べないと思っているかの違いです。私は、『自分の中の思い』だけだと思うんです。本当やりたいと思えば行動に移しているだろうし、飛ばないのも飛べないのも自分がそうしているから。飛んでいるのが良いのか、止まっているのが良いのか、どちらが良いとかではなく、自分が自然とそうしたいようにしているんだと思う。今まで飛べないと思っていたのは、本当に飛ぼうとしていなかった、止まっていたいからそこにいただけ。私はいつでも飛べると思っています!
── これから漠然と何かをしたいと思っている人に一言お願いします。
漠然と何かしたいと思ったときには、「いつ?」「何を?」「どうやって?」と、ぼやけた状態のものをリアルにしていく必要があると思います。思い切り悩んで色々な事にぶち当たって行くと、だんだんそれが固まってきて、どれでもなく「これだ」というものが出てくるはず。それは人によってどれくらい時間がかかるかわからない。それを見つけなくても生きていけるし時間も流れていくから、その選択もありでしょう。でもこの先そうしていたくないと思うなら、自分はどうしていたいという「REAL IMAGE(実像)」を考える。そうしたら自然とイメージしたように自分が動いていくと思います。
── 今日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
これまで私たちAMPが、数年にわたりボランティアとして、金田さんやdeafの方々の活動を撮影してきた素材と共に、現在の金田さんのオフシーンもまとめつつ取材させて頂きました。
自身プロライダーとして、雪を楽しみ、伝えていきながら、環境問題への取り組みなど、多くの活動を続ける金田さん。そんな、人や地球に優しい人柄が、まるで「母」の様にほっとできる存在でした。
これからも多くの問題に取り組みながら、様々な方々へのサポートをさらに続けていってほしいと思います。
AMP 磯村 直彦
|